こんにちは、WANDERERスタッフの村中です。
今日はアメリカの老舗レザー工房「ウーバー社」で特注したディアスキン(鹿革)のベストをご紹介いたします。
1. 100年の歴史を持つウーバー社
(デリバリーのウーバー社ではありません)
1904年、アメリカ・ミネソタ・オワトナという町で地元の皮革工場として創業したUBER.Co 。
ミシシッピ川を超えて、山の中を進むこと数十分・・・
北部で鹿狩りなどのハンティングが盛んな地域で、地元のハンターたちが狩った鹿の皮を持ち込み、なめしやタンニングなどの加工、ジャケットやグローブ等のアイテムへ仕立てる工房として代々、一族経営を続けてきました。
アメリカでは鹿の生息が多い北部地方でこうした工房が数多く存在していましたが、時代の流れとともに次第に工房数は減少。
今では数えるほどに数を減らしています。
その中でも今回オーダーをお願いしたウーバー社は120年続く老舗中の老舗。
地元のハンターをはじめとして、全米中のハンティング愛好家からのオーダーが尽きません。
日本ではほぼ無名ですが、実際に小売はほぼ行っておらず、個人からの依頼を受けて成り立ってきた非常にドメスティックなスタイル。
国外へ出回ることは基本的にはなく、日本では古着でごく稀に見かける程度です。
実際、当店メインバイヤーの30年超の経験の中でも数度見かけ、自分自身で愛用していたのみだといいます。
今回のオーダーは、その記憶を頼りに工房を探しあて、現地でぶっつけ本番の直談判でオーダーに漕ぎつけた奇跡の一着です。
2.鹿革の特徴、ディアスキンとは
革製品は非常に古くから衣服として利用されてきた素材のひとつです。
はるか昔、数万年前の地層から牛皮の靴や依頼をまとったミイラが発掘されるほど革の歴史は古いものです。
皮の素材としては牛、馬、豚、羊、ダチョウ(オーストリッチ)など、家畜として飼われてきた動物のほとんどの皮が利用されているほか、サメやワニ、などご存知の通り、様々な素材が存在します。
日本でも奈良時代以前から鹿の皮が武器や衣服として利用されてきました。
鹿皮の特徴は、なんといってもその柔らかさ。数ある皮革の中でも特に柔らかく、そして、鹿皮の中でも雌(メス)の鹿の革はディアスキン(DEER SKIN)といい「レザーのカシミヤ」と評されるほどの肌触りの良さ、柔らかさが特徴。
触ってみると、肌に吸い付くようなしっとり感、柔らかさを感じます。
この柔らかさは鹿の皮の繊維が複雑で油分が抜けにくいという特徴から得られるもので、柔らかさを保ちやすく、手入れの手間が少ないことが利点のひとつです。
3.特注レザーベストのこだわり
今回WANDERERで特注したベストはヨーク切り替えの入ったツートンのタイプ、フロント裾は剣先のあるデザインでスタイル良く見せてくれるようオーダー。
フロントはジッパー、ポケットがついて日常使いしやすい仕様に。
脇下にはAラインのガゼット(マチ)がついており、これはハンティングの際の動きをアシスト・補強する役割ですが、シルエットの武骨さに磨きをかける素晴らしいアクセントになっています。
ウエスト部はアジャスターで調整も可能です。
カラーは深みのあるブラウンに胴部分にタンカラー(なめし色)をセレクト。
アメカジらしい、シンプルでベーシックな色遣いで普段着の着回しを広げてくれます。
レザー愛好家の方に限らず、アメカジがお好きな方、アメリカらしいレザーアイテムをお探しだった方にはぜひとも今秋にゲットしていただきたいアイテムです。
今まで日本のマーケットでは古着でしか出会えなかった幻ともいえる極上のディアスキン。
アメリカらしい無骨で男らしいシルエットと繊細な鹿皮のコントラストをぜひ楽しんでください。
何度も言いますが、ミネソタ・オワトナの工房に直接出向いて直談判した特注品ですので、当店でのみお求めいただけます。
サイジングがご不安な方は店頭でご試着も可能ですので、お気軽にご来店ください!
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ワンダラー
村中