SHANANA MIL DAISY®︎で使われている「ミリタリー」ベースを解説

SHANANA MIL DAISY®︎で使われている「ミリタリー」ベースを解説

こんにちは、WANDERERスタッフの村中です。

まだまだ日中は暑いものの、だんだんと空気が秋めいてきました。

涼しい風が運んでくる、ほのかな金木製の香りに心躍らせる今日このごろです。

 

アメリカも今の時期は東海岸(ニューヨークなど)はマフラー・ジャケットが必要な寒さに突入。紅葉も色づく1年で最も美しい時期です。

一方、西海岸(カリフォルニア、サンフランシスコなど)はといえば相変わらず気温26°前後の素晴らしい陽気のようで、なんともうらやましい限り。

 

今回は、上述のカリフォルニアで20年間活動を続ける「SHANANA MIL」について、ちょっと深堀してみようと思います。

 

深堀のお題は、ベースに使用されているヴィンテージ素材について。

 

もうご存じの方も多いかとは思いますが、Instagamなどで初めてSHANANA MILやヴィンテージに触れてくださった方がいたらと思い、ちょっと解説をしてみようと思います。

 

1.SHANANA MIL(シャナナミル)について

SHANANA MILはヴィンテージディーラーとして40年以上の経験を持つ「GYPSY」(ジプシー氏)が妻MARIAとともにら20年前に立ち上げたブランド。

当時流通量の多かったビンテージ・ミリタリーやヴィンテージ LEVI'Sに、妻であるMARIAが手刺繍をほどこしたことからブランドはスタートしました。

今ではスポーツ界などを中心に、海外のセレブリティにもファンを持つブランドへと成長しています。

SHANANA MIL DAISY®︎を象徴するBASE BALL CAP.

 

アメリカでしか入手できないデイジーの刺繍CAPは、アメリカNBAのバスケットボール選手、レブロン・ジェームズも愛用。

 

 

2.SHANANA MILの"MIL"って...

 

ブランド名に冠している通り、SHANANA MILの"MIL"は"MILITARY"のMIL。

Mr.GYPSYが長いキャリアを持つヴィンテージ・ミリタリー・ディーラーとしてのキャリアと、思い入れを物語るブランド名です。

 

やはりミリタリークロージングが彼の主戦場、真髄といったところでしょうか。

 

実はSHANANA MILには2つのラインがあります。

 

ひとつは"DAISY®︎"ヴィンテージベースに小花の刺繍が咲く、遊び心に満ちたユニセックスシリーズ。

 

 

もうひとつは"GYPSY"シリーズ。

 

ミリタリーの中でも特に希少な素材ひとつひとつを厳選し、モチーフやパターンを再構築。漢らしく無骨な雰囲気で、ヴィンテージやミリタリーアイテムを一通り経験された男性方へ向けた、ドレスにもマッチする円熟したシリーズです。

 

WANDERERでは販売いたしませんが、GYPSYシリーズは別途ブログでご紹介しますのでお楽しみに。

 

とにかく、2つの対照的な世界観を持つSHANANA MIL、ミリタリーにこだわりを持ったブランドであることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

 

3.ヴィンテージ・ミリタリーの素材解説

 

では、SHANANA MIL DAISY®︎で使われている素材を解説していきます。

 

1)M1951 CHINO TROUSERS

 

M1951、通称M51という品番の通り、1951年に朝鮮戦争のためにアメリカ陸軍(USARMY)に支給されたチノパン。

実はチノパンの歴史は古く、19世紀末~20世紀初頭にかけてイギリス軍によって、汚れや出血が目立たない「土色」の野戦用パンツが開発されたことが始まりです。

それがアメリカに渡ったのは第二次世界大戦時。1941年にはじめてチノパンが軍服として採用されました。これが通称「M41」です。

その後、「M43」「M45」そして「M51」へと戦争を経るごとに変遷を遂げていきます。

いずれも、現代の洋服に多大な影響を与えた名作です。

 

M45までは太めのストレートだったのに対して、M51のシルエットは「I」型、スッキリとしたストレートです。

生地はコットンツイルという、高密度によられた糸を斜めに織り込んだ、強度の高い生地が使われています。

着心地はしっかりした重さに、コットンならではのなめらかな肌触り。

シルエットは無骨なのですが、独特の光沢感でカジュアルすぎない上品さがあり、春・秋・冬に最適な1本です。

 

 女性が着ると上品さが際立ち、刺繍がとてもよく映えますので、チノパンが好きな女性にも実はとてもおすすめです。

ジャーマントレーナーなど、シンプルなスニーカーにも合いそうです。

 

2)OG107 BAKER PANTS

「ベイカーパンツ」や「ファティーグパンツ」でおなじみ、UTILITY PANTSとも呼ばれる野戦用パンツ。

非常にベーシックながら特徴的なデザインで「軍パン」と言ったらコレ、というイメージの方も多いのではないでしょうか。

1950年代から実戦投入されるようになり、特に60年代、70年代のベトナム戦争で作業や戦闘で部隊問わず広く使用されていたアイテムです。

コットンサテン100%の風通し・肌触りの良い質感、ミリタリーらしいカラー、特徴的なフロントポケットの形など、愛着ポイントは尽きません。

フロントは上から縫いつけるタイプの四角いポケット、バックにはフラップ付きのポケット。

正式名称は「OG107 UTILITY UNFORM」なのですが、なぜ「ベイカー」と呼ぶのかは諸説あるようで、後にパン屋さん(BAKER)が好んで履くようになったから、という説が有力だそうです。

 ハイウエストかつ、ブーツにしまえるよう裾がややテーパードがかったシルエットになっており、女性がスタイル良く着用しやすいのが人気の理由のひとつです。

 

3)USAF (US AIR FORCE) COVERALL 

(トルソーサイズ:9号、着用サイズ:Medium)

カバーオールは本来「つなぎ」という意味です。

こちらは戦闘機に乗るパイロットが着用した、80年代のつなぎ。

上述のベイカーパンツと同じコットンサテン100%の素材、OG107と言われるミリタリーグリーンカラー、ファティーグパンツを彷彿とさせるディテール。

こちらのつなぎ自体なかなか球数が少なく、また、あまりにもファティーグパンツと酷似したディテールですので、ベトナム戦争の余剰生地で制作できるよう、企画されたものなのかもしれません。(推測の域を出ませんが...)

男性はもちろん、女性にもぜひともおすすめしたいアイテム。

コンバースなどと合わせても良いですし、写真のようにウェスタンブーツと合わせても可愛いですね。

腰に巻くようにしてパンツ代わりに着用するのも小慣れ感が出ておすすめです。

 

4.US MILITARY TEE SHIRTS

そろそろお腹いっぱいかと思うので、最後はさらっと、Tシャツのお話を。

アメリカ軍入隊者に訓練生〜一般の戦闘兵まで幅広く支給されるTシャツ。

コントラクター(製造会社)は統一されておらず様々で、昔はChampionや、フルーツのタグで有名な「Fruit of the Room」などもTシャツを供給していました。

SHANANA MILでも何枚か、FruitタグのTシャツを見ることができます。

Tシャツは戦闘シーンや訓練でのタックインを前提として作られているので、やや着丈が長いのが特徴。

だぼっと着たい方はあえてオーバーサイズを選んでみるのも良いかもしれません。

ちょっと長くなってしまったので、本日はここまで。

 

蘊蓄(うんちく)にお付き合いいただき、ありがとうございました。

SHANANA MILのブランドオーナーでありディレクターであるGYPSY氏のインスタグラムアカウントではGYPSY氏の世界観を垣間見ることができますので、ぜひCHECKしてみてください。

 

@gypsy_44

 

来月、11月に開催されるヴィンテージショー「Inspiration TOKYO」にもSHANANA MILが出店予定です。日本では購入できないアイテムがたくさんございますので、お見逃しなく✨

インスピレーション@東京

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